法律の資格ってどれもが取るのに難しそうで二の足踏んでいる方も多いのではないでしょうか。実際問題、法律資格は程度の差こそあれど、取るのはどれも難しく法律初心者が狙うのを躊躇してしまうのもよーくわかります。
そういう法律初心者の方へ、おすすめの法律資格取得方法がありますのでご紹介したいと思います。ちょっと時間は掛かる可能性がありますが、必要以上に無理しなくていいので、むしろ効率的といえるかもしれません
法律資格受験生経験がある管理人がその方法を解説していきたいと思います。興味があればお付き合いください。
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難易度の順番で法律資格を取得する
法律初心者で資格取得に躊躇している方におすすめの方法、それは、取りやすい資格から取得を目指していくという方法です。実はこの方法、実践している人も結構いらっしゃって裏技でもないのですが、有効な方法のようです。
例えばです、それまでの人生で法律など本格的に学んだことないどない方が、弁護士になりたいと司法試験合格を目指すことを検討したとします。でも、誰もが知っている通り、司法試験合格など法律初心者からはじめて達成できるものかと躊躇してしまいます。いろいろ考えた挙句、司法試験よりも難易度が低い法律資格を取得して、順番にステップアップしていこう、というもの。
法律資格は順番にステップアップしていくことのメリット
順番にステップアップしていくというのは、
- 法律に慣れる
- 試験勉強に慣れる
- 試験そのものに慣れる
というメリットがあると考えます。法律資格って、実際問題として取得するのが難しい傾向があるのは事実だと思います。だとすれば、「試運転」で慣らしておくのも実は効率的なんじゃないかと思うのです。
1段づつ階段を上るようにステップアップしていくので時間は掛かるかもしれません。ただ、「法律の免疫」がない者がいきなり最難関試験目指すのは登山初心者がエベレスト登頂を目指すようなもの(ちょっと言い過ぎですね…)。だったら京王線に乗って高尾山から始めようよ、ということです。
法律資格取得の順番とは
「なるほど!」と思っていただけたのなら、具体的に検討してみましょう。ステップアップ、というのなら、当然取得しやすい順番に目指すべきです。国家資格の法律系資格でいえば、宅建が登竜門的存在です。順番に並べてみますと(数字は想定勉強時間)、
- 宅地建物取引士(300時間)
- 行政書士(800時間)
- 司法書士(3000時間)
- 司法試験(8000時間)
かといって、宅建とて簡単に合格できるような試験ではありません。十分難関試験と言えます。もっと合格しやすいのと言えば、民間試験になってしまいます。
「ビジネス実務法務検定1~3級」という試験がありますが、宅建に比してもかなり取りやすい資格ではあります。ですので、人によってはこのへんを登竜門としてもいいかもしれません。
- ビジネス実務法務検定3級(50時間)
- ビジネス実務法務検定2級(75時間)
- ビジネス実務法務検定1級(200時間)
- 宅地建物取引士
- 行政書士
- 司法書士
- 司法試験
ひとつづつのステップアップ階段があるとすれば、以上のような形になるのかなと思います。
理想的なステップアップとは
もっとも、この通りの順番でステップアップとすれば、本当に時間が掛かってしまいます。下手したら10年ぐらいかそれ以上?それは逆に非効率的。だから、もっと効率的なステップアップしてみようよ?というご提案。
不必要な法律資格はスルーする
例えば、あなたが行政書士になりたいなーと考えたとします。行政書士試験合格がゴールですから、ステップアップを踏むにはビジ検と宅建。
だからといってビジ法3級2級1級と合格して宅建、では効率悪いです。ビジ検はこの場合はあくまでステップの一環ですので、一つ踏めば十分です。
行政書士を狙うのであれば以下の3つの選択肢でいいでしょう。
- 直接行政書士を狙う
- 宅建を経て行政書士を狙う
- ビジ法のどれかに合格して宅建を飛ばして行政書士を狙う
国家資格の前に民間資格に挑戦!
国家資格はやはり難易度高いです。ので、その前に民間資格で腕試しする方法ですね。
ビジ法は1級~3級とありますが、ステップアップで考えるなら2級の取得で十分。1級はちょっと難易度上がるし、上を行くならあえて触れない方が良いと思います。
3級は2級の足掛かりと考えるなら良しですが、3級飛び越えていきなり2級挑戦の方が効率的。
- ビジ法2級
- 行政書士
ビジネス実務法務検定とはでこの検定について解説させていただきましたが、資格取得には試験に合格する必要があります。合格のためには試験勉強しなければなりませんが、その勉強方法についてお話させていただこうと思います。 必要な勉 …
2024年度試験対策通信講座がリリースされたばかりですが、法律資格試験経験者の管理人が厳選した通信講座7校を総合的に比較してランク付けもしてみました
同系統の法律資格に絞ってステップアップ
効率的に考えるなら、同系統の法律資格に絞ってステップアップしていくのも利用的な方法だと考えます。「法律資格で同系統?」と思われる方もいるでしょうが、実際あるのです。国家資格で言えば、
- 司法試験と行政書士
- 宅建と司法書士
は同系統と言えます。宅建と司法書士は不動産関連の法律資格です。ということは、試験科目での共通点を見出せます。
行政書士と司法試験は、特段同系統とは言えませんが、行政書士の法令科目はすべて司法試験が内包しています。
司法試験合格を目指すのに宅建からコツコツ順番にステップアップしていくのも結構ですが、「ちょっと待ってください。こういうステップアップ方法もありますよ?」と言いたいです。
◆司法試験がゴールのステップアップ方法は・・・
- ビジ法
- 行政書士
- 司法試験
◆司法書士がゴールのステップアップ方法は・・・
- ビジ法
- 宅建
- 司法書士
法律資格ステップアップで核になる科目とは
順番で法律資格のステップアップを考えている方は、登龍門資格から意識していただきたいことがあります。それは、絶対的に核となる科目があるので、必ず得意科目として身に付けるということ。
その科目とは民法です。民法は必ず得意科目にしていきましょう。
民法はどの試験でも出題される
なぜ民法なのか?民法はどの試験でも出題されるからです。しかも、例外なく重要科目として。
下の表をご覧ください。下の表は、宅建試験・行政書士試験・司法書士試験・司法試験予備試験で出題される民法の問題数と占有率です。
資格試験 | 民法問題数 | 問題数占有率 | 配点占有率 |
---|---|---|---|
宅建※1 | 14問 | 28% | 28% |
行政書士※2 | 11問 | 23.9% | 31.1% |
司法書士※3 | 21問 | 30.0% | 30.0% |
司法試験※4 | およそ15問 | およそ14.3% | およそ14.3% |
※1 科目「権利関係」の数字。すべて民法系法令。内訳は民法10、借地借家法2、区分所有法1、不動産登記法 1
※2 法令科目全46問244点満点中の数字
※3 択一式試験のみの数字
※4 予備試験短答試験の法令科目合計数字
試験の形式がそれぞれ異なったりちゃんとした数字が出せない資格もあるのですが、民法という固有の科目だけで見てもこれだけを占めており、「民法系科目」という括りにすれば、資格によっては8割を超えるものもあります。
つまり、民法という科目は法律資格から切っても切れない科目なのです。どんな試験でも出題され、どんな試験でも重要科目<になってくる。ですので、法律資格全般を見て民法という科目は核として考えなければならないのです。
民法を制す者は法律資格を制す
「民法を制すものは司法試験を制す」って格言聞いたことありませんか?これ、昔から司法試験受験業界で言われていた格言です。実際その通りです。
民法が得意でありさえすれば必ず司法試験に合格できるというものではありませんが、民法が苦手な者は合格できないのは間違いありません。
これは司法試験だけでなく、法律資格全般に言える格言だと思います。民法という科目は、法律資格にとってそれだけ重要な科目なのです。
民法は差が出やすい科目
なんでこんなこと言われるかというと、民法は難しい科目だから得手不得手で点数に差が出るからです。行政っ書士でいえば、行政法で受験生間で大きなは出ないと思いますし、宅建試験の合否を左右するのは民法(宅建科目でいえば権利関係)の出来だと言われています。
大事なので繰り返しますが、民法が苦手な者は法律資格を諦めなければなりません。しかし、得意にしてしまえば、これほど心強いことはありません。
参照:「ビジネス実務法務検定とは?取得メリットや試験難易度が見える!」
まとめ
いかがでしょうか。この法律資格ステップアップ取得法は、予備校でも推奨されていたりもする効果的な方法でもあるのです。新規で取得する資格講座が割引になったり他資格合格者が割引になったり、お得だったりしますので、ステップアップ法試してみてもいいかもしれませんね。
大事なのは、
- 多くても3ステップにとどめること
- ゴールが決まっていれば同系統資格で攻めるもよし
- 民法は最後まで最重要科目としてついて回る
以上3点意識して頭に留めておいてください。